現状と課題
春日井市の事業所は9,833件(総務省統計局「令和6年経済センサス‐基礎調査」確報)あり、そのうち飲食店は地域経済を支える重要な柱です。ところが中小企業全体のAI導入率はわずか20.4%(中小企業基盤整備機構「中小企業のAI等の利活用に係る実態調査」2026年3月)で、導入予定がないと答えた企業は61.0%に上ります。導入を躊躇する理由として「現状で満足しており必要性を感じない」が27.7%(同上)、「効果的な活用方法がわからない」が日本全体で30.1%(総務省「令和7年版 情報通信白書」)というデータが示すように、情報と実践のギャップが大きな障壁となっています。
春日井で6年、カーリースをやってきた。ある時期、自分の店で集客が止まった。広告費を倍、3倍、5倍にしても、お客様は増えなかった。「やり方が悪いのか、商品が悪いのか」を一人で考え続けた。
(公式HP「はじめに」より)
AI活用とは
AI活用とは、業務の中で「人が行う判断や作業を、データとアルゴリズムで支援・自動化すること」を指します。飲食店の場合、売上予測や在庫管理、予約の最適化など、具体的な業務プロセスにAIを組み込むことで、無駄な作業時間を削減し、顧客対応に注力できる余裕を生み出します。
最初の一歩: データの見える化
AI導入の最初のステップは「自店の業務データを可視化する」ことです。具体的には、以下の手順で進めます。
対象業務を絞る 売上、在庫、予約、シフトの4つのうち、最も頻繁に手作業で行っているものを1つ選びます。たとえば、毎日の売上集計が手書きのエクセルで行われている場合です。
データ取得方法を決める POSレジや予約システムが出力できるCSVファイルを毎日保存する、またはレジ画面のスクリーンショットを定期的に撮るなど、手間のかからない方法を設定します。
簡易集計シートを作成する ExcelやGoogleスプレッドシートで、日付・売上・客数・商品別売上の列を用意し、毎日コピペするだけで自動的に合計や平均が算出されるように数式を組み込みます。ここで重要なのは「手入力を減らす」ことです。
週次で振り返りの時間を設ける 作成したシートを基に、1週間分の売上トレンドや在庫変動を確認し、次の施策(メニュー変更や仕入れ調整)につなげます。これにより、データに基づく意思決定の感覚が身につきます。
この「見える化」だけでも、AIが本格的に関与できる土台が整います。次の段階では、同じデータを元に需要予測モデルや在庫最適化ツールを導入することが自然な流れとなりますが、まずはデータを手元に置くことが最優先です。
お店の業種を私が覚えるのではありません。効く勘所だけを抜き出して、積み上げていきます。「教えてください」とは言わない。あなたの現場知識と、私のAI。掛け合わせて、あなたの店だけの仕組みをつくります。
(代表 佐藤の考え)
まとめ
春日井市の飲食店がAI導入に踏み切れない背景には、情報不足と「必要性を感じない」心理が大きく影響しています。そこで提案した「データの見える化」は、特別なツールや高額な投資を必要とせず、今日からでも始められる最初の一歩です。まずは売上や在庫といった基本的な業務をデジタルで記録し、週に一度だけでも数値を振り返る習慣をつくることで、AI活用への道筋が自然に見えてくるでしょう。
出典一覧
- 総務省統計局「令和6年経済センサス‐基礎調査」確報
- 中小企業基盤整備機構「中小企業のAI等の利活用に係る実態調査」2026年3月(有効回答1,668社)
- 総務省「令和7年版 情報通信白書」図表I-1-2-15(日本 n=515)
出典
本文中の数字は、次の公的統計にもとづいています。
- 総務省統計局「令和6年経済センサス‐基礎調査」確報(雇用者のいない個人経営の事業所を除く)
www.stat.go.jp で見る - 中小企業基盤整備機構「中小企業のAI等の利活用に係る実態調査」2026年3月(有効回答1,668社)
www.smrj.go.jp の報告書(PDF) - 総務省「令和7年版 情報通信白書」図表I-1-2-15(日本 n=515)
www.soumu.go.jp で見る